ちょうど一週間前なんですけど、携帯電話を拾ったんですよ。仕事帰りに大阪城公園の前をチャリで通ってたとき。
二つ折りのピンクの携帯電話で、最近めっきり見なくなったアンテナが伸びるタイプの。誰のだろうって思って拾い上げた瞬間、
 
ブルルルルルル!
 
(;´Д`)ヒイ!!
着信でした…。びっくりさせやがって。
と、見てみるとサブディスプレイに「自宅」の文字が。落とした事に気付いた持ち主さんがかけてきたのかしらん、と思って出てみる事にしました。
 
「もしもし」
「‥‥‥‥‥」
「‥‥もしもし?」
「‥‥‥けて」
 
プツ。ツーツーツー。
 
…(´・ω・)ゞ?
よく分からなかったけど、女の人の声だったような?風邪で喉ががらがらになった時の様な声だったし、女の人にしては低い声だったような気もするけど、声からイメージしたのは女の人でした。
よく分からなかったし、いじくり倒してプライベートを覗き見してケツ毛バーガーみたいな写真があったら嫌だなーと思ったのですぐさま近くの交番にもって行きました。
それでくたびれた感じの中年のお巡りさんに内心「もっとイケメンでかつゲイの警官を出しなさいよ!」などと悪態をつきつつ(口には出してないですよ。国家権力は怖いですからね)事情を説明しました。お巡りさんは最初は話を聞きながらなにやら携帯電話をいじっていましたがすぐにいじるのをやめ、「ふーん( ´_ヽ`)」みたいな感じになったんですよ。
変だなと思ったんですが、話もすぐに終わったので、じゃ、そういうわけでお願いします。って言って去ろうとしたんですがそのお巡りさんにこう言われたんです。
 
「電源も入らない携帯電話に着信が来たっていうの?というよりこんな状態でどうやって電話に出たの?」
 
といいながら開いた携帯電話を見せてきたのです。
は?と思いつつよくみると。
液晶はヒビが入ってるし、通話ボタンも取れて泥が詰まってました。どう見ても壊れてます。本当にありがとうございました。
 
「‥‥‥(;゚Д゚)」
 
言葉を失っているとお巡りさんが嫌味な笑顔で
 
「あのねえ、こういう悪戯に付き合ってる暇はないんですよ。拾ったゴミはちゃんとゴミ箱に捨てて行ってね」
 
と、その携帯電話を渡してきました。
なんだか腑に落ちないままそれを受け取ってそのまま帰ったんですよ。でもやっぱり納得いかない。絶対に着信はあった!犯人はこの中におる!m9( ・`ω・´)どーん!
というわけで家でみっしり調べつくしてやるべ。と思ってたんですが家に帰った頃にはすっかり忘れててスーツのポケットに入れっぱなしで気付いたのは翌朝スーツを着たとき。ダメじゃんオレ。
 
というわけで翌日(金曜日)、今日こそはと思いながら帰宅してると、大阪城公園に差し掛かった途端
 
ブルルルルルル!
 
胸ポケットに入った携帯電話には異変なし。まさか!と思って内ポケットの例の携帯電話を出してみると…
 
「‥‥‥なんで」
 
着信。サブディスプレイには「自宅」の文字。
二つ折りの携帯電話を開くと液晶は割れてなく、ボタンもきれいなまま。恐る恐る通話ボタンを押す…。
 
 
「もしもし…」
「‥‥‥‥‥」
「‥‥もしもし」
「‥‥‥けて」
 
プツ。ツーツーツー。
 
耳から離して携帯電話をよく見てみると、液晶が割れており、通話ボタンが取れている。
(((;゚Д゚)))アワワ
 
あわてて新世界に住む友人(霊感あり)に連絡をしたところ
「とりあえず来たら?カレーもあるよ(・ω・)」
と能天気な返事。マッハで駆けつけました。
 
「よ♪久しぶりー(・∀・)ノ」
「よ♪ちゃうわ。これ!」
 
と携帯電話を突き出す。友人はスプーンを咥えながら「ふーん( ´_ヽ`)」って感じで見てる。
「で、どうなのよ?それ」
「ん?ちゃんと憑いてるよ?(・ε・)」
「『ちゃんと』ってなんやねん(#・∀・)」
「だって憑いてないのに壊れた電話が鳴るなんておかしいじゃん(・ω・)」
(確かにそうだけど…。でもあせってないっていう事は大した霊じゃないのかも?)と思ってる心を読んだかのように急に真顔で
「ゴメンね。お前が消えてもあたしは忘れないからね(;ω;`)」
とか言い出す友人。絶句しているけいいちを見て
「本気にした?m9(^Д^)プギャー」
 
一瞬本気でびびったわ!(#゚Д゚)
 
「とりあえず腹が減っては戦は出来ぬ。カレー食う?」
「食欲ないんやけど…まあ」
 
というわけでカレーを御馳走になり(レトルトでした。ちなみに彼女は3杯目だとか。よくアレで体型維持できるわ。妬ましい)食後の一服を吸いながら
 
「じゃあそこ連れてって」と。
はあ?
「なんか言いかけてたんでしょその女。あたしも聞かなきゃ分からないし」
「『○○けて』って言ってたなあ。助けて?かな?」
「『ボスケテ』かもよwww」
 
とかバカなやり取りをしつつも恐怖はほぐれていきまして、大阪城公園に近づいてきました。携帯電話は彼女が持っています。霊感がある人が持ってるからか電波感度は桁違いのようで、大阪城公園の結構手前でチャリをこぎながら
「おお!来た来た!!www」とか叫ぶ声が後ろから聞こえました。
チャリってるので一瞬だけですが振り返るとポケットから携帯電話を取り出す彼女の姿が見えました。
「ちょ、出るん!?」
「当たり前やん。もしもしー?」
(おいおいどんだけ度胸あんねん…)
「ゴメン大きい声でもっかいお願い!‥‥‥ほう!どこよ!?‥‥‥了解!ラジャーでございます!!」
(話通じてるし!!)
正直自分が怖い目にあってそれに彼女が立ち会うというケースは今までになく、怖い話を聞かされるだけだったので(しかもあの性格なので大して怖い話にならない)このやり取りが日現実過ぎて気が遠くなりそうでした。
何とか大阪城公園に辿り着き、チャリを止めて後ろを振り返ると彼女はまだその携帯電話で話しながら素通りしていきました。通り過ぎる瞬間聞こえたのが
「今着いたよー。どの辺に埋まってる?(*・∀・)」
 
ううう埋まってるー!!!???(((;゚Д゚)))
 
とりあえず10メートルほど先の彼女を追いかけて俺もチャリる。公園に入ってしばらく走った(方向音痴で方角がよく分からなくなりました)所で彼女が止まる。キョロキョロ上の方を見回しながら。道路からはかなり奥に入った場所に来ていて明かりもあんまり届かない薄暗い場所でした。
 
「あったあった!あの木の隣の木の根元?どっち側の隣?…OK!」
 
目線の先には高い木の枝になぜかくくりつけられていたビニール紐が。昔からくくってあったようで薄汚れて糸のように裂けていました。
彼女はその左隣の木の根元をぐるりと見て回って「ここだね」と言いました。まばらに生えていた雑草の丈がそこだけ不自然に短かったのでなんとなく分かりました。
 
「ここに彼女が埋まってる」
「‥‥‥」
「たぶん殺されたんだと思う」
「殺されなきゃこんな所には埋めないでしょ」
「あんたはビビッてたわりに妙に冷静なんだね」
「お前の態度見てたら怖い物も怖くなくなったの。…で、どうするの?」
 
彼女は携帯電話をそこに置くとかばんから塩と酒を取り出してあたり一面に振りかけ始めた。
 
「彼女は見つけてって言ってたんだ。たぶん自分と犯人を見つけてっていう意味だと思うけど、それは警察の仕事だからね。あたしには彼女の思いを断ち切る事だけしか許されてないの。放置してもいいけどそれじゃあんたに彼女の思いの欠片がこびりついたままになるし」
 
え?と思った瞬間ありがちだけど肩が軽くなった気がしました。そして耳元でかすかに「ありがとう・・・」と言う声が聞こえたような気がしました。
 
「とりあえずは成仏したみたいだけど…すぐ見つかったらヤバイしこの携帯電話は明日道頓堀川にでも捨ててくるわ」
「証拠隠滅かよ」
「アンタとあたしの指紋がついてるんだから疑われるでしょうが。アンタはいいけどあたしは迷惑なのー(・ε・´)」
「へいへい…(;´д`)」
「とりあえずお代は明日難波スイスホテルのケーキバイキング奢りってことで」
「給料日前やからカンベンしてー(;ω;`)」
 
以上。フィクションでした。でも地名は実在です。お巡りさんはフィクションです(国家権力は怖いですからね)長文すいません。